Research
当研究室では以下の内容について研究を進めています
- 我々はゲノムデータから進化をどこまで明らかにすることができるのか
- ゲノムデータを解析して、集団史や適応の痕跡を検出できるようになってきました。しかし太古の情報は失われる傾向にありますし、直近のイベントは痕跡が明確でないため検出が難しいことが知られています。すなわち進化について知りうることには限界があります。
- その限界は、イベントの時期やインパクトなど進化プロセスに起因する場合もありますし、データの量や質に依存する場合もあります。どれくらいの量・質のデータを集めれば、どこまで詳細に進化を理解することができるのか、理論とシミュレーションを用いて解析しています。
- 生物進化を可視化する
- 進化プロセスはゲノム多様性に特徴を残します。例えば最近に適応進化を経験した遺伝子周辺は多様性が減少していることが知られており、その程度は適応時期と適応度に依存します。それらの痕跡を検出することで、適応遺伝子の検出が可能になっています。
- 様々な特徴量をゲノムワイドに算出し、可視化して、直感的に理解可能なシステムの構築を目指しています
- 形質の進化と遺伝子の進化を関連づける
- ゲノム多様性を解析すれば適応の影響を受けた領域の抽出ができます。それはその遺伝子に働いた進化的な力を反映しています。他方で生物学的な差異はその形質に現れます。もし遺伝子と形質の進化が完全に対応していれば問題ないのですが、そうでない場合も多く存在します
- 多くの形質は複数の遺伝子が関係して形成されています。この場合、形質に働く進化的な力は、それぞれの遺伝子領域にどのような影響を及ぼすのでしょうか。また単一の遺伝子が複数の形質に関係している場合もあります。遺伝子に適応の痕跡が検出されたとき、どの形質の影響を受けていると考えられるのでしょうか。このような複雑な基盤を持つ形質における適応検出問題の解決に取り組んでいます
- ヒトの精神形質の進化
- 我々をヒトたらしめ、社会性を持つ人を形成するに至った変化の検出を試みています。特に精神形質に注目し精神疾患関連遺伝子の解析を進めることで、精神性社会性の進化を明らかにしたいと考えています
Classes
担当している授業(専門)
- 人類遺伝学:学部3年生前期・早川
- 集団遺伝学:学部3年生前期・手島、資料はこちら(IDとパスワードが必要です)
- 情報生物学:学部3年生後期・手島
