進化遺伝学研究室へようこそ

九州大学理学部生物学科・大学院システム生命科学府 進化遺伝学研究室のホームページです。当研究室は集団遺伝学・集団ゲノム学・バイオインフォマティックスをベースにして、データ解析や進化メカニズムに関する研究を行っています。

手島康介教授を中心とするチームでは、集団遺伝学の理論とシミュレーションを用いてゲノム多様性と進化的イベントの関係を解析しています。遺伝的多様性は変異や集団の歴史・適応など様々な要因の影響を受けます。集団ゲノムデータを解析したときに見られる多様性パターンの理論予測や各種進化パラメータの推定、新たな解析方法の開発に取り組んでいます。また、進化とは単に過去のイベントだけを指すのではありません。生物は現在もなお進化的変化を続けています。一般的な生物のメカニズムとしての進化研究を進めています。また、共同研究を行い、様々な生物のデータ解析にも取り組んでいます

早川敏之准教授を中心とするチームでは、精神疾患にかかわる遺伝子を対象にヒトのゲノム多様性データを解析し、ヒト系統における精神機能の進化を研究しています。我々のヒトらしさは脳によっており、我々の文化・文明の発展はその機能によって成し遂げられています。精神疾患にかかわる遺伝子にみられるヒト特異的な変化や多型を調べることで、我々を「ヒト」たらしめるとともに、社会性をもった「人」とする遺伝的基盤の解明に取り組んでいます。また、精神疾患にかかわる遺伝子を対象としていることから、進化医学的視点から精神疾患の起源や出現要因などの情報を得ることができます。このため、精神疾患が成立した進化的な背景の解明にも取り組んでいます。