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研究課題と概要

計画研究課題 (研究課題名をクリックすると概要が表示されます)
研究課題名 研究代表者 所属機関
成長呼吸と維持呼吸の高 CO2応答 寺島 一郎 東京大学
植物におけるCO2シグナル伝達の分子遺伝学的解析 射場 厚 九州大学
窒素制限条件下の光合成機能と生産性に与える高CO2
環境の影響の解明
小俣 達男 名古屋大学
窒素同化能力強化植物を用いたC/N相互作用に基づく
高CO2応答ネットワークの解析
柳澤 修一 東京大学
植物ホルモンを介した炭素・窒素栄養バランス情報の
伝達システムの解明
榊原 均 理化学研究所
高CO2環境がイネの光合成とバイオマス生産に与える
影響の解明
牧野 周 東北大学
開放系大気CO2増加環境での樹木等の光合成と木部
生産機能のパラメータ化
小池 孝良 北海道大学
植物機能の高CO2応答のモデル構築と検証 廣瀬 忠樹 東北大学
植物のCO2応答に関するメタ分析と生態系モデルの  
高度化
伊藤 昭彦 国立環境研究所
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公募研究課題 (研究課題名をクリックすると概要が表示されます)
研究課題名 研究代表者 所属機関
過去100年のイネの遺伝的改良は高CO2濃度への応  
答性を高めたか?
酒井 英光 農業環境技術研
葉緑体分布パターン決定における二酸化炭素の役割 高木慎吾 大阪大学
高CO2環境下で光合成誘導反応の解明と物質生産へ
の影響評価
唐 艷鴻 国立環境研究所
高CO2応答に関与する炭水化物シグナルの同定 宮尾 光恵 農業生物資源研
植物の糖転流経路における二次原形質連絡形成の
メカニズムの解明
西田 生郎 埼玉大学
高二酸化炭素条件下で変動する遺伝子群とその進化
起源解析
花田 耕介 理化学研究所
高CO2環境下のイネの炭素・窒素栄養バランス高次
統御に関わる窒素情報伝達系の解明
早川 俊彦 東北大学
気孔開閉調節分子と特定アクアポリンの高濃度CO2
への応答とCO2供給系の理解
前島 正義 名古屋大学
イネデンプン集積抑制酵素発現制御体の高CO2応答
に関する研究
三ツ井 敏明 新潟大学
高CO2順化に必須の遺伝子探索とその機能解析
:植物は、なぜ糖尿病を患わないのか?
三宅 親弘 神戸大学
高二酸化炭素環境下における二酸化炭素透過型アク
アポリンの活性制御
森 泉 岡山大学
ユビキチンカスケードが関わるC/Nバランスと
ソース・シンク制御機構の全容解明
山口 淳二 北海道大学

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計画研究概要
成長呼吸と維持呼吸の高CO2応答
 研究代表者:東京大学 理学系研究科 教授 寺島 一郎
 研究分担者:東京大学 理学系研究科 准教授 野口 航
 研究分担者:東京大学 理学系研究科 特任助教 種子田 春彦
 連携研究者:京都大学 理学研究科 講師 嶋田 知生
 連携研究者:東京大学 新領域創成科学研究科 特任助教 桧垣 匠
 連携研究者:東京大学 総合文化研究科 助教 森長 真一
 連携研究者:神戸大学 農学研究科 助教 深山 浩

【コンソーシアムにおける役割】呼吸、C/N バランス、物質分配、成長の高CO2応答の解析。精密ガス交換測定、自然安定同位体測定、安定同位体トレーサー実験の基盤整備と実験協力。
【目的】メタボローム解析と呼吸速度の同時測定から、呼吸律速過程を解析する。また、13CO2および 15NO3-を用いたパルスチェイス実験から、植物の C/N 吸収および植物体内における C/N 分配や転流を解析する。高CO2環境への馴化過程において、これらがどのように変化するのかを解明し、植物の高CO2環境応答を呼吸と C/N 動態の面から把握する。さらに、葉のアポプラスト液の高CO2情報伝達系と、光合成の表現型パラメータとの関係を精査し、気孔および葉肉CO2コンダクタンスのCO2応答の分子機作に迫る。これらを総合して呼吸および光合成の環境応答モデルを構築する。

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植物におけるCO2シグナル伝達の分子遺伝学的解析
 研究代表者:九州大学 理学研究院 教授 射場 厚
 連携研究者:九州大学 理学研究院 助教 楠見 健介
 連携研究者:九州大学 理学研究院 助教 祢宜 淳太郎

【コンソーシアムにおける役割】CO2シグナルに関連する突然変異体と多重変異体、CO2馴化特性の種間差評価に有用な分子マーカーを提供する。
【目的】各種リモートセンサを用いたバイオイメージング技法により、シロイヌナズナのCO2シグナル変異体を網羅的に選抜し、その原因遺伝子の同定 解析から、気孔開閉など、器官 細胞レベルにおけるCO2応答制御の分子基盤を解明する。CO2馴化特性の種間差要因となる分子マーカーを探索する。

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窒素制限条件下の光合成機能と生産性に与える高CO2環境の影響の解明
 研究代表者:名古屋大学 生命農学研究科 教授 小俣 達男
 研究分担者:中部大学 応用生物学部 講師 愛知 真木子
 研究分担者:名古屋大学 生命農学研究科 助教 前田 真一

【コンソーシアムにおける役割】実験室におけるモデル実験により、窒素同化能力の低い野生種植物や、野外で一般的な窒素制限条件下の植物群の高CO2応答を推測するための基礎データを提供する。窒素同化能力の高い植物の高CO2応答を解析する柳澤班とはC/N相互作用関係のオミックス、マーカー因子群の解析を通じて、相補的な役割を担う。
【目的】硝酸イオンの吸収に欠陥をもつモデル植物の変異株を利用することにより、野外で一般的な「定常的窒素不足状態」を様々な窒素欠乏レベルで実験室内に再現し、高CO2環境への応答に対する窒素制限の影響を明らかにする。窒素制限により増大する窒素吸収のエネルギーコストに対する高CO2条件の影響を寺島班とともに解析する。また、窒素同化能力が特に低い植物種を材料として窒素吸収効率の多様性の分子機構を明らかにする。

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窒素同化能力強化植物を用いたC/N相互作用に基づく高CO2応答ネットワークの解析
 研究代表者:東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授 柳澤 修一

【コンソーシアムにおける役割】シロイヌナズナの高CO2応答ネットワーク機構(CO2 NET)の解析。オミックス解析による高CO2応答のマーカー因子群の特定。榊原班における植物ホルモンとCシグナルの相互作用の解析や野生植物を用いたターゲテッドメタボローム解析に協力。
【目的】シロイヌナズナを用いて窒素同化能力の強化が高CO2NETに及ぼす影響を明らかにする。窒素同化能力を強化した形質転換体を作出し、この形質転換体では窒素同化能力の強化に伴い炭酸固定量が増加することを確認している。これを活用し、1遺伝子変化に由来する応答変化を評価する。この解析は、小俣班が行う窒素同化能力を低下させた場合のCO2NET解析と相補的である。窒素同化能力強化植物のオミックス解析により高CO2応答のマーカー因子群の特定も行う。

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植物ホルモンを介した炭素・窒素栄養バランス情報の伝達システムの解明
 研究代表者・理化学研究所 環境資源科学研究センター・グループディレクター 榊原均  研究分担者・理化学研究所 環境資源科学研究センター・研究員 木羽隆敏  連携研究者・理化学研究所 環境資源科学研究センター・研究員 信定知江

【コンソーシアムにおける役割】植物ホルモノームのためのプラットフォームを提供し、ホルモン分析を支援する。
【目的】植物ホルモンは外環境変化に対する形態的、代謝的適応のためのシグナル分子の役割をもつ。窒素栄養に対しては、サイトカイニンは器官間情報伝達シグナルとして機能し、光合成機能、シンク ソースバランスの制御を行っている。ただし、高CO2応答、炭素 窒素栄養バランスに対する他の主要ホルモンの関与などについては不明である。本研究ではシロイヌナズナとイネを用いて、植物ホルモンを介した炭素 窒素栄養バランス情報の伝達システムを解明する。特にこれまで解析が進まなかった高CO2環境下におけるサイトカイニンの代謝制御、ABAとエチレンの糖センシング機構との相互制御機構に焦点を当て解析を進める。

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高CO2環境がイネの光合成とバイオマス生産に与える影響の解明
 研究代表者:東北大学 農学研究科 教授 牧野 周
 研究分担者:東北大学 農学研究科 助教 鈴木 雄二
 連携研究者:東北大学 農学研究科 准教授 石田 宏幸

【コンソーシアムにおける役割】高CO2下における光合成馴化の分子メカニズムの解明と光合成機能の評価、および野外環境での作物草本の C/N バランスと個体内の物質分配を定量解析し、総バイオマス生産を調査する。これらの結果をコンソーシアムに提供する。
【目的】高CO2環境で、葉に蓄積される糖と糖センサーの働き、および流入窒素と窒素同化制御物質群により Rubisco 量が RBCS 遺伝子ファミリーの発現を介してどのように決定されているかを明らかにする。合わせて酵素 Rubisco の活性化率も考慮し、光合成機能の馴化の分子メカニズムを明らかにする。同時に、個葉の結果を圃場レベルでのバイオマス生産にスケールアップし、メタボロミクス解析を含めて C/N バランスと物質分配を定量解析する。

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開放系大気CO2増加環境での樹木等の光合成と木部生産機能のパラメータ化
 研究代表者:北海道大学 農学研究院 教授 小池 孝良
 研究分担者:北海道大学 北方生物圏フィールド科学C センター長 笹 賀一郎
 研究分担者:北海道大学 北方生物圏フィールド科学C 副センター長 佐藤 冬樹
 連携研究者:北海道大学 農学研究院 准教授 高木 健太郎
 連携研究者:東京農工大学 共生科学技術研究部 教授 船田 良

【コンソーシアムにおける役割】樹木FACE(開放系大気CO2増加実験)実験全般。
【目的】生理生態レベルの野外研究を実施する。アジアで唯一の樹木を対象にしたFACEと、育種材料を植栽した「森林CO2固定機能の改良」フィールドを用いて、窒素負荷が樹木個体群に 及ぼすPEPPsへの複合影響を定量し、CO2環境―光合成機能―シンク制御の関連の統一理解をめざす。さらに、個葉 個体 群集レベルのスケーリングをC/Nバランスの観点から評価するために、安定同位体トレーサー実験や自然安定同位体測定を実施する。さらに、高CO2でのシンク ソース機能を評価するため、萌芽更新した個体についても調査を行う。

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植物機能の高CO2応答のモデル構築と検証
 研究代表者:東北大学 名誉教授 廣瀬 忠樹
 研究分担者:東北大学大学院 生命科学研究科 教授 彦坂 幸毅
 研究分担者:鳥取大学 農学部生物資源環境学科 助教 衣笠 利彦
 連携研究者:東北大学大学院 生命科学研究科 准教授 藤井 伸治

【コンソーシアムにおける役割】植物の光合成 成長のCO2応答の数理モデル構築を中心とした領域の実験結果のとりまとめと、野外実験によるモデルの検証を行う。
【目的】モデル植物シロイヌナズナを対象とした当該班の実験および他班の実験結果をとりまとめ、光合成や成長速度などの主要な表現型パラメータ(PEPPs)を従属変数、CO2濃度や栄養塩供給速度などの環境要因を独立変数とした数理モデルを構築する。機能型間比較研究を通してその適用範囲を拡大し、野外実験で検証する。

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植物のCO2応答に関するメタ分析と生態系モデルの高度化
 研究代表者:国環研 地球環境研究センター 主任研究員 伊藤 昭彦

【コンソーシアムにおける役割】分子生物学者や生理生態学者に生態系モデルの現状を示し、望ましい研究結果の提示を要求するとともに、植物の諸機能の高CO2応答のモデル化を援助する。
【目的】分子メカニズムに立脚した植物の各プロセスについて高CO2応答モデルを開発し、陸域生態系モデルVISITに組み込むことで地球環境予測モデルの予測性の格段の向上に寄与する。また、そのモデルを用いたより信頼性の高い温暖化影響評価を行う。

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公募研究概要
過去100年のイネの遺伝的改良は高CO2濃度への応答性を高めたか?
 研究代表者:農業環境技術研究所 大気研究領域 主任研究員 酒井 英光
 連帯研究者:農業環境技術研究所 大気研究領域 上席研究員 長谷川 利拡
 連帯研究者:農業環境技術研究所 大気研究領域 特別研究員 Charles P. Chen

【コンソーシアムにおける役割】開放系大気CO2増加(Free-Air CO2 Enrichment; FACE)実験水田と自然光型チャンバーという2種類の実験施設を用いて、イネの新旧主要品種の高CO2応答の遺伝的変異を個体・圃場レベルで明らかにする。高CO2応答に関する分子生理的な知見が、フィールドレベルでどのように現れるかを確かめる実験プラットホームとしての役割を担う。
【目的】組織的な交雑育種が始まって100 余年が経過した。この間の品種改良によって、イネの形態、生態的特性は大きく変化し、収量性、耐冷性、肥料応答性、耐病性、食味は著しく向上した。同期間に大気CO2濃度は約80ppm 増加したが、これまでの遺伝的改良がCO2応答にどのように影響したかは明らかではない。今後も上昇を続けるCO2濃度環境下で効率的な作物生産技術を模索するためには、これまでの遺伝的改良に伴うCO2応答の変化を明らかにすることが重要である。そこで本研究では、明治時代から現在までの新旧主要イネ品種を、FACE実験水田で栽培し、高CO2に対する圃場レベルの生育・収量応答を比較し、遺伝的改良がCO2応答に与えた影響を定量的に明らかにする。さらに、個体を対象としたチャンバー実験で、個体、器官レベルの生理応答の遺伝的変異を調査し、圃場レベルでの遺伝的変異との関連を解析することで、新旧品種のCO2応答の生理・生態特性を明らかにする。

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葉緑体分布パターン決定における二酸化炭素の役割
 研究代表者:大阪大学 理学研究科 准教授 高木 慎吾

【コンソーシアムにおける役割】プロトプラスト内の葉緑体が細胞外 CO2 濃度の高い場所に移動する反応を定量的に解析し、この反応が植物の高 CO2 応答過程にどれだけ寄与するかを検証することのできる実験系を確立する。
【目的】光合成を担うオルガネラ葉緑体は、外部環境の変化に応じて細胞内での分布パターンを変え、光合成の最適化に寄与する。我々は CO2 が葉緑体の分布パターンを制御する重要な要因の一つではないかと予想し、個葉レベルで細胞間隙の CO2 濃度を調節する、プロトプラストの外側の CO2 濃度を調節する手法により、その可能性の検証に取り組んでいる。ガス交換システムなどの協力を得て、定量的な証明を目指す。また、もう一つの重要な要因である光とのクロストークについて解析する。

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高CO2環境下で光合成誘導反応の解明と物質生産への影響評価
 研究代表者:国立環境研究所 生物圏環境研究領域 主任研究員 唐 艷鴻
 連携研究者:神戸大学・連合農学 助教 深山 浩
 連携研究者:国立環境研究所 生物圏環境研究領域 研究員 富松 元

【コンソーシアムにおける役割】高CO2濃度環境下で光強度の瞬時的変化に対する植物の光合成速度の応答反応を解明し、植物の物質生産に及ぼす誘導反応の影響をモデルで評価する。
【目的】高CO2環境下でモデル植物(4-5種)を栽培し、光強度の突然上昇に対する光合成速度の変化過程(光合成誘導反応)を測定し、光合成誘導反応に関する諸パラメータを獲得する。これらのパラメータを変動する光強度に応答できる光合成シミュレーションモデルに導入し、高CO2環境下での光合成誘導反応の影響を定量的に評価する。一方、誘導反応過程の生化学的測定結果と気孔変化から、高CO2濃度環境下で光強度の瞬時変化に対する光合成応答反応のメカニズムを探る。

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高CO2応答に関与する炭水化物シグナルの同定
 研究代表者:農業生物資源研究所 光環境応答研究ユニット長 宮尾(徳富) 光恵

【コンソーシアムにおける役割】高CO2環境シグナルの作用点を特定するとともにシグナル伝達物質を同定し、高CO2応答に関与する炭水化物シグナルに関する情報をコンソーシアムに提供。
【目的】葉の高CO2応答を生化学的・形態学的に解析し、様々な高CO2応答それぞれについて高CO2環境シグナルの作用点を決定する。ひき続き、作用点での遺伝子発現の網羅的解析とシグナル候補物質の添加実験等により、高CO2環境シグナルの実体を調べるとともに、シグナル伝達メカニズムを検討する。特に、炭水化物がシグナルとして働く可能性に着目して解析を行う。

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植物の糖転流経路における二次原形質連絡形成のメカニズムの解明
 研究代表者:埼玉大学 理工学研究科 教授 西田 生郎
 連携研究者:埼玉大学 理工学研究科 教授 森安 裕二
 連携研究者:埼玉大学 理工学研究科 助教 藤木 友紀

【コンソーシアムにおける役割】 コンソーシアムにシロイヌナズナの14CO2の同化量と同化産物の転流量を測定する実験系を提供し、高CO2環境における植物の光合成機能の向上をめざす研究を促進する。
【目的】葉のソース化に伴う二次原形質連絡構築における機能が推定されるRESTRICTED SUCROSE EXPORT1(RSX1ペクチン酸リアーゼ)の役割をより明確にするために、RSX1の細胞内局在性および発現組織特異性を明らかにする。また、RSX1を組織特異的に発現させた形質転換rsx1植物を作出し、高CO2濃度環境下での糖転流活性ならびに二次原形質連絡の形成の程度を評価する。これらの知見を総合し、糖転流経路の拡幅を可能にするバイオテクノロジーの創出に挑戦する。

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高二酸化炭素条件下で変動する遺伝子群とその進化起源解析
 研究代表者:理化学研究所 植物科学研究センター 研究員 花田 耕介
 連携研究者:理化学研究所 植物科学研究センター 研究員 樋口 美栄子

【コンソーシアムにおける役割】シロイヌナズナでの高CO2環境下でのトラスクリプトーム解析およびデータベース作成。CO2応答に関係するペプチドホルモ ン様機能を示す遺伝子の探索。
【目的】シロイヌナズナで高CO2応答によって発現変動を示す遺伝子の進化的起源を、比較ゲノム解析を用いて明らかにし、同じ機能がどの植物種にまで存在するかを推測する。また、発現変動を示す遺伝子の中で幅広い植物種で保存し、かつペプチドホルモン様の配列を持つ短い遺伝子に関しては、過剰発現体を作成し、高CO2下での表現型を調べる。さらに、本研究で構築されるシロイヌナズナの発現情報のデータベースをコンソーシアムのメンバーに公開すると共に、様々な比較ゲノム情報を組み込んだデータベースを作成する。

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高CO2環境下のイネの炭素・窒素栄養バランス高次統御に関わる窒素情報伝達系の解明
 研究代表者:東北大学大学院 農学研究科 准教授 早川 俊彦

【コンソーシアムにおける役割】高CO2環境下の植物の組織・器官間でのC/Nバランス統御機構の理解に向けて、利用可能な体内窒素の検知・情報伝達に関する分子基盤情報を提供する。
【目的】高CO2環境下の植物のバイオマスや種子収量の増加には、光合成産物の増加に伴い利用可能な体内窒素とその同化量の増加が必要とされる。イネにおける根でのアンモニウム吸収・同化機構と老化器官構成窒素の若い器官へのリサイクル機構の鍵酵素・タンパク質(アンモニウム輸送担体1とNADH-グルタミン酸合成酵素1など)の遺伝子発現は、アンモニウム初期同化産物かつ主転送窒素形態であるGlnまたはGln代謝産物で制御される。本研究では、イネにおけるGlnまたはGln代謝産物を介した情報伝達系の分子実態の解明を目指すとともにその構成分子の高CO2環境下のイネの窒素吸収同化・転流利用機構と体内C/Nバランス調節機構上での機能評価を行う。

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気孔開閉調節分子と特定アクアポリンの高濃度CO2への応答とCO2供給系の理解
 研究代表者:名古屋大学 生命農学研究科 教授 前島 正義 

【コンソーシアムにおける役割】気孔開閉調節に関わるタンパク質PCaP1およびCO2透過性アクアポリンPIP1に焦点を当て,それぞれの分子機構と生理機能を明らかにし、高濃度CO2下での両分子のCO2供給システムにおける役割とそれに関わる量的・機能的調節機構を解明し、本領域の発展に貢献したい。
【目的】新規のCa結合タンパク質であるPCaP1は、ミリストイル基を介して細胞膜に結合し、カルモジュリン-Ca複合体、ホスファチジルイノシトールリン酸(PtdInsPs)と結合する特性をもつ。PCaP1は孔辺細胞を含む表皮細胞に特異的に発現し、その遺伝子欠失株の葉では気孔の開閉に異常が見られ気孔開閉調節に関わりをもつと推定される。一方、多様なアクアポリン分子種の中でも細胞膜局在性のPIP1は複数の植物でCO2透過性が認められており、PIP1の量の減少がCO2固定能の低下をもたらすことを見出した。コンソーシアムとしてのチームワークの中で、高濃度CO2に対するPIP1の応答を解析し、植物におけるCO2供給システムの解明とモデル提案を目指す。

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高二酸化炭素環境下における二酸化炭素透過型アクアポリンの活性制御
 研究代表者:岡山大学・資源植物科学研究所 助教 森 泉
 連携研究者:岡山大学・資源植物科学研究所 准教授 且原 真木
 連携研究者:名古屋大・生命農学研究科 准教授 白武勝裕

【コンソーシアムにおける役割】CO2透過型アクアポリンの高CO2環境下における活性制御を明らかにします。
【目的】シロイヌナズナのPIP2型アクアポリンの一種がCO2を透過することを発見し、葉緑体に至るCO2輸送における役割を解析し ています。特に、高CO2環境下においてCO2透過型PIP2アクアポリンの活性がどのように制御されているかを明らかにするととも に、その生理学的役割を解明します。

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イネデンプン集積抑制酵素発現制御体の高CO2応答に関する研究
 研究代表者:新潟大学 自然科学系 教授 三ツ井 敏明
 連携研究者:新潟大学・農学部・応用生物化学科 特任助教 和田 楓
 連携研究者:新潟大学・農学部・応用生物化学科 特任助教 金古 堅太郎

【コンソーシアムにおける役割】イネデンプン代謝関連糖タンパク質のプラスチド局在化機構の解明と高CO2、高温下における野生型およびデンプン集積抑制酵素の発現制御体のN-グライコーム、糖代謝、デンプン集積およびデンプン顆粒形成の変化を調査する。これらの結果をコンソーシアムに提供する。
【目的】我々は、イネにおけるデンプン集積に対して抑制的に働く酵素の生理的役割に興味を持って研究を行っている。本研究課題では、糖タンパク質として知られているイネデンプン集積抑制酵素のプラスチド局在化機構の解明および本酵素の機能発現に及ぼす高CO2濃度および高温の影響を調べる。さらに、高CO2、高温下における野生型およびデンプン集積抑制酵素の発現制御体の形質調査で得られた知見を基に、高CO2、高温下におけるイネデンプン集積強化法を探る。

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高CO2順化に必須の遺伝子探索とその機能解析:植物は、なぜ糖尿病を患わないのか?
 研究代表者:神戸大学 農学系研究科 准教授 三宅 親弘

【コンソーシアムにおける役割】高 CO2下での酸化ストレス解析を行うことにより、光合成を中心とした順化に必須の分子メカニズムの解明を行う。 
【目的】高CO2環境下では、光合成促進で糖が細胞内に高蓄積し、糖代謝副産物としての毒性化合物の生成が促進されることが予想される。これらの蓄積は、DNAあるいはタンパク質に酸化障害を与え、細胞機能を損失させる(この酸化障害を植物の糖尿病と定義)。高CO2下、シロイヌナズナ野生株および生育が抑制される変異株を用いて、分子遺伝学・生理生化学的解析により、酸化障害メカニズムの解明をおこなう。

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ユビキチンカスケードが関わるC/Nバランスとソース・シンク制御機構の全容解明
 研究代表者:北海道大学 大学院理学研究院 教授 山口 淳二
 連携研究者:筑波大学 遺伝子実験センター 准教授 松倉 千昭
 連携研究者:北海道大学大学院 理学研究院 助教 佐藤 長緒

【コンソーシアムにおける役割】 C/N応答に関与する分子の同定とその機能解明、細胞内物質分配とソース・シンク制御の解明、各種形質転換植物の作製とその供給、オーム解析と生理実験協力、タンパク質相互作用解析、各種分子生物学・生化学実験に関する協力。
【目的】陸上植物の高CO2応答の分子基盤の一つは、細胞内のC/Nバランス感知・シグナル統合装置(C/Nバランサー)にある。私たちは、シロイヌナズナを用いた分子遺伝学解析から、C/N耐性変異体の単離とその原因遺伝子としてユビキチンリガーゼATL31を同定した。これは、ユビキチン・プロテアソームシステム(UPS)がC/N応答に関与することを証明した初めての報告である。このような研究背景に基づき、UPSが関与する高CO2条件下における植物の成長制御の分子機構の全容解明を目指す。まずは,細胞内C/Nバランサー構成因子の検証を最優先させるが、同時に、器官間の代謝産物分配(ソース・シンク)制御というよりマクロな視点における分子基盤の解明も目指している。このために、各種形質転換植物体を用いたオーム解析、生理実験を実施する。

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