第18回九州大学理学部生物学科公開講座
【日時】 2019年8月9日(金)13:30〜16:00 (開場・受付 12:30〜)
【場所】 福岡市科学館 6Fサイエンスホール (福岡市中央区六本松)(LINK)
【アクセス】市営地下鉄:地下鉄七隈線利用、六本松駅で下車してすぐ。(LINK)
西鉄バス:博多駅、天神等から六本松経由のバスを利用し六本松で下車してすぐ。
【対象】高校生および市民
【定員】約250名 参加費:無料
【主催】九州大学大学院理学研究院・生物科学部門
【連絡先】生物学科教育支援室(担当 中條信成; 092-802-4269)
参加申し込み】以下のボタンを押して表示される、参加申し込みフォームから事前予約をお願いします。
・高校の先生等で参加者をまとめて申し込みされる場合は、bio-shienkyushu-u.org まで参加者リストをお送りください(@を文字に替えて送信)。こちらで確認した上で受け付け内容について返信いたします。
・参加人数に余裕がある場合、当日予約無しで入場できるかもしれませんが、その場合は事前にここでアナウンスいたします。
7月10日より受付を開始しました。
講演内容
高校生の受講者が多いため、最初に九州大学理学部生物学科の紹介を行った後に以下の2名の先生方による講演を行います。
食べられるのを避ける動物たち-捕食回避の生態学 粕谷 英一(生態科学研究室・准教授)KASUYA, EIITI
動物が繁殖して子を残す、そのためには餌を獲得して食べることが必要であるとともに、餌にされないこと、すなわち他の動物によって食べられてしまうことを避けるのも重要である。動物では、捕食されることを避ける様々な性質と方法が進化している。まず、捕食者に見つかる前に先に発見することが大切であり、動物自体に由来する手がかりだけでなく、いろいろな利用可能な手がかりが使われる。また、いったん捕食者に発見されても、あるいは捕らえられても、まだ終わりではない。どのようにして食べられてしまうことを避けているか-明らかにされてきた豊富な例を紹介するとともに、まだ解明されていない問いについてもお話ししたい。
分子からみた細胞の遺伝情報を伝えるしくみ 釣本敏樹(染色体機能学研究室・教授)TSURIMOTO, TOSHIKI
ヒトの細胞では、核内に60億個のAGCTの塩基がつながったDNAを持ち、ヒストンというタンパク質を使って染色体と呼ばれる構造に折畳まれています。DNAには生物の遺伝に必要不可欠な情報が含まれ、普通に細胞が増える時には、1塩基の間違いも、過不足もなく伝えられなければいけません。さらに染色体の構造にも、細胞の遺伝子が機能するのに必要な情報が含まれ、この情報も細胞が増える時に娘細胞に伝わります。私たちはこのような複雑で精緻なしくみを分子のはたらきとして理解する研究をしてきました。この研究は、細胞のがん化のしくみや、遺伝子の異常による病気の原因を知る上でも重要です。ここではDNAやタンパク質という分子をつかって遺伝情報を伝えるしくみについてどのようなことがわかってきたかを紹介いたします。
(図の説明)培養しているヒト細胞の新たに複製されたDNAを緑の蛍光色素で染色すると約半数の細胞の核がDNA合成期 (S期)にあることを示して緑に染まります(図左側)。この時、中央の模式図のように、複製を行っているDNAとタンパク質が集まって複製フォークと呼ばれる構造をしています。ここには一部のタンパク質しか示してありませんが、必須のものとして、合成されているDNA (緑線)上に留め金タンパク質として働くリング状のタンパク質(赤)があります。このタンパク質を赤い蛍光色素で検出すると(右側)、S期の核が同じように染まり、DNA複製をしているところに集まっていることがわかります。
第12回(平成25年)川畑 市川
第13回(平成26年)伊藤 池ノ内
第14回(平成27年)射場 寺本
第15回(平成28年)谷村 佐竹
第16回(平成29年)矢原 高橋
第17回(平成30年)舘田 祢冝