モデル生物研究センターについて

センター長:理学研究院生物科学部門植物生理学研究室 主幹教授 射場 厚

 地球上には870万種以上の生物種が存在すると推定されており、これらの系統群は多岐にわたっている。生命現象をあまねく理解するために、すべての生物種を研究対象にすることは不可能であるため、基礎生命科学においては、モデル生物とよばれる人工環境下での維持や遺伝学的解析が容易な生物材料に集中して研究が行われている。本センターを構成する研究室は、シロイヌナズナ、アサガオ、イネ、カイコ、ヒドラなどの代表的モデル生物を対象とした世界トップクラスの研究実績を有し、とくに、アサガオ、イネ、カイコを扱う3研究室については、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP) に参画している。これまでも、国内外の研究者にリソース(系統・DNAなど)を提供することによって、モデル生物研究の発展に中心的役割を担ってきた。本センターでは、モデル生物の取扱いや分子生物学的解析に優れた実績をもつ研究室が連携し、新規なフェノーム技法を開発し、それを駆使することで、それぞれのモデル生物種における有用な新規形質の探索を行う。さらに、モデル生物間共通の制御ネットワークを理解し、種の垣根を越えたモデル生物研究の新基盤を構築する。
 本センターでは、学内の関連研究者のみならず、国内外の大学・公的研究機関などとの共同研究や連携・交流、および、優秀な研究者、学生の受け入れなども積極的に行い、九州大学に当該分野の世界水準の研究・教育拠点を形成する。

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