リチウムイオンは躁うつ病の気分安定剤として非常に有効であることが分かっていますが、その分子的な作用機構はまだわかっていません。当研究では、線虫C.
elegansを用いて、これに迫ることを目的としています。
野生型は20mM、30mM塩化リチウムを含む培地では増殖できません。そこで、変異誘起した集団の中から塩化リチウムを含む培地でも増殖できる突然変異体をスクリーニングし、その原因遺伝子の同定を行っています。その結果、現在7つの遺伝子が得られています。
今後、これらの遺伝子の機能解析により、リチウ ムイオンの作用機構の分子メカニズムを明らかにしていこうと考えており、これはひいては、躁うつ病に有効な新薬の開発につながるのではないかと期待しています。