生態学I(矢原徹一)試験問題 2005年2月8日
○解答用紙(白紙)に、名前と学生番号を記入し、解答すること。裏面を使用しても構わない。
問1 共通の資源をめぐって競争する2種(種1と種2)を考える。2種の個体数をN1, N2, 2種の内的自然増加率をr1,
r2, 2種の環境収容力をK1, K2, 種2の種1に対する競争係数をα12,
種1の種2に対する競争係数をα21とすると、2種の個体数の時間変化を次の式であらわすことができる。
(1)
(2)
(1) これらの式を用いて、種1、種2の個体数がともに増加する条件を求め、N2のN1に対する関係式であらわせ。
(2) 図1の各領域(@〜C)において、種1、種2の個体数は増加するか、それとも減少するか。各領域について回答せよ。
(3) 図1から、2種が安定して共存する条件は、K2 < K1/α12,
K1 < K2/α21であり、とくにK1
= K2 のとき、α12< 1, α21
< 1 である。このとき、種内競争と種間競争のどちらの効果が強いか。理由とともに述べよ。

(4) 種1は、種2に対して密度効果を及ぼし、種2の個体群増加を抑制するが、種2は種1に対して資源を提供し、種1の個体群増加を促進するとき、これら2種は片利共生をしていると言われる。このような片利共生の下での2種の個体群動態は、次のようにあらわすことができる。
(1)
(2)
このような2種は、共存できるか。図1と同様な図を描いて、判定せよ。
問2 進化的に安定な戦略としての出生性比について、下記の問いに答えよ。
(1) 変異型の母親が生む息子の比率をx, 変異型以外の母親が生む息子の比率をx*,
母親が生む子供の総数をNとする。また、息子が成熟令に達するまでの生存率をVs, 娘が成熟令に達するまでの生存率をVdとする。変異型の母親の適応度を、x, x*,
N, Vs, Vd を用いてあらわせ。
(2) 上記の式を用いて、進化的に安定な出生性比を求めよ。
問3 次の生物の中から2つを選び、どのような生態学的研究が行われたかを述べよ。
(1) ダーウィンフィンチ
(2) フジアザミとマルハナバチ
(3) Elderflower orchid (ハクサンチドリ属の1種)
(4) Mimulus cardinalis と M. lewisii
(ミゾホウズキ属の姉妹種)
問4 分散・共分散とはどのような量かについて、説明せよ。