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釣本先生の進路相談室

理学部での勉強、研究、分子生物学について、大学院への進学、染色体機能学研究室の研究内容、将来の就職など、分からないこと、心配事があればここをクリックして質問を送って下さい。釣本先生がこれまでの経験を生かして相談にのります。

 

Q:理学部とほかの学部の違いが分かりません。

 生物系、生命科学系の勉強をするという点では、農学部、医学部、薬学部と似ていますが、理学部生物学科は、基本的に基礎生物学、基礎生命科学を勉強するところで、ほかの学部のようなつよい応用指向は有りません。応用も大事ですが、最初から応用を考えると、勉強する内容に偏りがどうしてもでてきます。その点で、生物学科では、基礎からきっちりと勉強するカリキュラムができていています。基礎から幅広い、正確な生物の知識があると、基礎の世界で将来研究者になるには重要ですが、同時に将来、応用の分野にいく時にも多いに役立ちます。また選ぶ分野の可能性も広くなります。

 

Q:高校で受験科目として物理と化学をとったので生物が分かりません。生物学科に入ってやっていけますか。

 生物学科の30%くらいは生物学を高校時代に勉強しないで入学してきます。確かに授業の最初は、専門用語の理解で苦戦しています。でも、1−2年経つと、このような問題は自然に解消します。最初の1年で、ついていけないとあきらめて放り出さないことが大事です。分からないなりに勉強していけば、気がつけば自然にその専門用語を駆使している自分に気がつきます。

 何を隠そう、釣本先生も物理、化学で大学を受験して、生物学は大学で勉強しました。いまだに動植物の名前を聞いてもどんなものか分からないことが多いです。しかし、今の生命科学は物理、化学の知識を足場にして発展してきました。物理の得意な方ならそれを逆に生かして生命科学の勉強ができます。

 

Q:研究職に就きたいのですが、自分が研究者に向いているかどうか分かりません。

 大学院に入って、自分の研究者としての能力を見てみたいと言われる学生の方も多くいます。残念ながら修士課程くらいでは能力を見るところまでは時間的に無理です。就職活動に修士2年間の半分を費やしているのが実情で、私から見れば、研究っぽいことをしてみたに過ぎません。研究者の能力は、1つの研究テーマをまとめて論文にしてはじめて評価できます。1つ2つ実験をしてうまくできる、できないは研究者の能力とは言えません。本当に研究者としての能力を見たいなら、最低自分で論文を書くところまでして考えましょう。

 ただし、合理的な考え方ができない、自分のしていることが客観的に判断できない、戦略的に研究のプランが建てられないという方は研究者には向きません。これはトレーニングである程度身に付きますが、1年間やってまったく向上が見れない時は、あっさりと研究者になることをやめましょう。

 まとめると、はっきりと研究職に就かない方がいいという人は半年もすればすぐ分かります(学部4年の時だけでも)。しかし普通に実験ができる人が将来すばらしい研究者になれるかは、3−5年間の学生の方の努力でいくらでも変わります。研究者に向いているという問題でなく、研究者になるつもりがどれくらいあるかの問題です。

 

Q:研究者に憧れて大学院進学を考えています。就職難で博士課程までいくのが不安です。博士号をとることはそんなに重要なことですか。博士をでてから普通の生活ができますか。

 研究職と言っても、いろいろなものがあります。だから逆に、自分にあった研究職を探すことができます。しかし、今の経済状況では、民間で研究職として採用してもらえるのは限られています。その点では、みなさんにあまり選択の余地はないでしょう。また研究職で採用されても、数年後に営業に配置換えになることも多くあります。ですから、現在は修士課程修了で民間で本格的な研究職に就けるケースはかなり限られています。本当に研究者になりたいなら、博士課程にがんばって進学しましょう。ちなみに欧米では、修士号というのは経歴としては存在しないに等しいです。経歴として示せるのは博士号だけです。それだけ博士号は価値あるものなのです。 では博士課程に進学して生きていけるか?はっきり言って、セレブな生活をしないで普通にしていれば生きていけます。確かに授業料は私が学生だった時より高くなりましたが、DRになって、学振の特別研究員に採用される確率は、私の頃より圧倒的に高いです。私は学生時代に論文が4編ありましたが、DR修了後やっと採用されました。だからこれに採用されるのを一つの目標にして下さい。DR1−2年生で論文が1つあれば50%以上の確率です。これを達成するには、周りの同級生の1.2倍がんばって下さい。2倍ではありません。これで十分、人より優れた研究ができます。

 もう一つの問題の就職ですが、博士課程修了者数が急減しているので、DRの就職率の方が高くなるという逆転現象も見られます。空いた大学のアカデミックポジションにも適任者が見つからない場合がしばしばあって、今後、30歳くらいの日本人の若手研究者層の空洞化が心配されています。また企業もしっかりと博士課程で勉強してきた人材の有効性をだんだんと理解してきています。だからDRの就職はそんなに悲観的でなく、いかに人にはない能力をもっているかアピールすることが大事でしょう。就職活動している修士の方なら自分を見てみましょう。修士1年足らずで研究職としての自分の能力をアピールできるだけの経験がありますか?採用する側の企業はあなたたち以上にあなた達の能力を見抜いています。

 

Q:他大学の学生です。修士課程からシステム生命学府に入ろうと思いますが、どのような準備が必要ですか。

 システム生命学府(生命医科学、分子生命、生命理学)では、他大学からの学生の方が受験しやすいように、試験内容を生物学、分子生物学の基礎的な内容の理解を重視したものにしています。HPで公開されている過去問を参照して下さい。今所属している学部で習った基本的な内容をもう一度しっかりと勉強し直して下さい。 Molecular Biology of the Cell、Molecular Biology of the Gene、Geneというような代表的な教科書の基礎編をしっかりと勉強し直すのもいいでしょう。英語はTOEIC, TOEFLの成績で採点されます。TOEIC換算で600点以上を目標にして、事前に何度か受験しておいて下さい。